SDGsへの取り組み

妊産婦と女性を感染から守る「Safe Motherhood Project1」妊産婦と女性を感染から守る「Safe Motherhood Project1」

ラクトフェリン ラボは、売上の一部で発展途上国の妊産婦と女性を
支援する活動をつづけています。

世界では、1日に約808人もの女性たちが、妊娠・出産・中絶が原因で命を落としています。
その99%が開発途上国。なかでも東アフリカのウガンダでは、妊産婦の死亡率は、なんと日本の69倍(※前年比)
一人でも多くの命を救いたい思いで、サラヤは妊産婦を支援する活動をスタートしました。

サラヤは国際協力NGO・公益財団法人ジョイセフ(JOICFP)の「ホワイトリボン運動」を通じて、
ウガンダの妊産婦が感染症で亡くなるケースが多いことを知り、
その原因の多くは、出産後の敗血症など、不衛生な環境がもたらす感染症でした。

そこでサラヤは、妊産婦を守る「SARAYA Safe Motherhood Project」を2018年から開始。
「ラクトフェリン ラボ」の売上の一部を活用し、手指消毒を現地のクリニックに届けるだけでなく、
医療従事者に手指の消毒や正しい洗浄方法など、感染症対策を教えることで、
2019年には妊娠関連の敗血症が35%減少しました。(※前年比)
あなたが「ラクトフェリン ラボ」のスキンケアでキレイになれば、
ウガンダの女性たちの命が守られる、命のバトンをつなぐこの活動に、あなたも今日から参加しませんか。

ウガンダ 医療従事者から寄せられたメッセージ

SARAYAのプロジェクトへの想い

プロジェクト立ち上げに、保健省大臣や日本大使、WHOの手指衛生ガイドラインの著者でもあるピッテ教授も

サラヤが長年研究を重ねて開発した「ラクトフェリン ラボ」。売上の一部は、公益財団法人ジョイセフ(JOICFP)が推進する「ホワイトリボン運動」の支援に使われます。ジョイセフは1968年に日本で生まれた国際協力NGOで、世界の妊産婦と女性の命を守る活動を続けています。

  • サラヤのアルコール手指消毒剤Alsoft Vの贈呈式

  • お母さんだけでなく、赤ちゃんの命も脅かしている感染症予防のために

ジョイセフは、ウガンダで「性と生殖に関する健康と権利」に関わる活動をしている現地NGOのRHU(リプロダクティブ ヘルス オブ ウガンダ)と協働して活動を行っています。現地をよく知るプロジェクトパートナーによって、妊産婦と女性のもとに支援の手が届く仕組みです。

RHUからアルコール手指消毒剤が現地のクリニックに届けられ、手指消毒の研修を受けた医療従事者がそれを使用し、院内感染を防ぎます。今回の届け先は、首都カンパラの郊外にあるGulu(グル)、Lira(リラ)、Apac(アパッチ)、Luwero(ルウェロ)の4カ所。支援を必要とする女性がいる限り、サラヤは今後も活動を継続していきます。

  • 正しい手指消毒方法を指導するサラヤスタッフ

  • サラヤのアルコール手指消毒剤を使用する現地の看護師

ウガンダでは不衛生な環境のために亡くなる妊産婦が多くいます。

ウガンダは20年以上も、政府 と反政府勢力の武力衝突の場となってきました。その影響で水道などのインフラ整備が進まず、貧困地区の衛生環境の悪さから感染症が蔓延しています。郊外の県には病院が1カ所ある程度で、多くの妊産婦は近くのクリニックで出産をしています。しかし医師がいるクリニックは稀で、設備も不十分。
不衛生になりがちで、敗血症などの感染症で亡くなる妊産婦が後を絶たないのです。

  • 設備がある程度整った病院内

  • 簡易手洗い設備「ティッピー・タップ(TippyTap)」。
    水道設備のない郊外でよく使われます。

※参考:WHO(世界保健機関)
World Health Statistics(世界保健統計)2018年版

Safe Motherhood Project「ウガンダ プロジェクト 現地レポート」
(2018年5月~2020年6月)

プロジェクトは、国際家族計画連盟(IPPF)の加盟協会であるIPPFウガンダ(RHU)、サラヤ、ジョイセフが、IPPFのパートナーとして支援し、2018年5月~2020年6月まで実施しました。

プロジェクトの成果1感染予防の手順と設備環境の改善によって、
利用者の安全性が向上。

ケアの質と感染予防の手順がクリニックよって、ばらつきがあることが分かり(特に公立の医療機関)、クリニックのリニューアル、利用者のプライバシー保護の徹底、水道の敷設、出産用のベッドに廃棄物用のバケツ購入、廃棄物処理の改善を図りました。
さらに、整理整頓に清掃方法、感染予防に関する手順が改善されたことで、利用者のケアの質、そして安全性が向上しました。

  • リラの保健センターⅢにあった検査台

  • アパチの保健センターⅢの産科病棟の天井

  • 設備改善のピフォーアフター1
    ルウェロ地区、ジロブウェ保健センターⅢ
    タイルが貼り替えられ、廃棄物が分別された

  • オナー保健センターⅡに設置された雨水貯蓄タンク

手指衛生と予防の手順は、プロジェクトで作成された標準業務手順書(SOPs)によって改善。
手洗い場を増やして、医療従事者に手指衛生について教え、手順書をクリニックに掲示してすべてのスタッフが意識できるようにしました。

手洗いが難しい診察中における手指消毒剤の使用は、効果を発揮。サラヤによる感染症予防対策に関する衛生トレーニングは医療従事者に好影響を与え、WHO「手指衛生5つのタイミング」の遵守率は92%まで上がりました。

 

現地インタビューの結果、下痢、コレラなどの感染症や、妊娠関連の敗血症の件数が、2019年度では前年度比で35%にまで減少。産後、退院までにかかる日数も減少しました。

医療従事者から寄せられたメッセージ

"出産後、母親たちを診ていて(プロジェクト開始前と比較して)敗血症の件数が減っていることが分かりました。プロジェクト前は大体10人中6人くらいにあった敗血症が、最近は10人に1-2名になりました。"(ルウェロ総合病院の看護師)

"サラヤの物資がエンパワーメントしてくれました。RHUに提供した製品は非常にユニークです。サラヤは、RHUがこれまで提供できなかったものを与えてくれました。手洗い(と手指消毒)の重要性はQOCトレーニングで特に強調されました。その一つが「手指衛生5つのタイミング」です。サラヤの消毒剤をすでに使っていたRHUは、新型コロナウイルスの感染が始まった時(他の施設より)有利でした。"(RHUグル・クリニックのマネージャー)

プロジェクトの成果2医療従事者のトレーニングにより、スキルが向上。
~質の高いSRHサービスを提供するため~

プロジェクトに参加する医療従事者に、手指衛生トレーナーのトレーニングを実施。
トレーナーを設けることで、新しいスタッフの異動があっても、手指衛生と感染予防の手順を教えられるようになりました。

医療現場の衛生だけでなく、利用者の安全、SRHとFP(家族計画)サービスの在り方、照会の仕組みについてもトレーニングを実施。
研修前後の見守りと監督をRHUが行うことで、参加したクリニックはケアの質(QOC)を改善することができました。

  • QOCトレーニングでグループワークをする参加者

  • QOCトレーニングでグループワークの発表を見る参加者

  • サラヤのロビナさんがトレーナー研修で手指衛生について話す

  • サラヤの手指消毒剤を使うクリニックのスタッフ

※セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス

感染予防に関する標準業務手順書(SPOs)と教育資料が作られ、パートナークリニックに配布。
手指衛生マニュアルとして、多くのクリニックが必要としました。

医療従事者から寄せられたメッセージ

"トレーニングで学んだことは、プロジェクト後のコミュニティに残るだろう。保健ボランティアは今までよりも準備ができています。"(アパチ地区、イノモ保健センターⅢ、クリニック責任者)